依頼する側から見ると、既存ページをコピーして、文字を差し替えて、公開するだけのように見えるかもしれません。
けれども、実際に作る側になると、見えてくる景色は少し違います。
見えている作業と、見えにくい作業がある
依頼する側に見えているのは、主にホームページ上に表示される情報です。
たとえば、文章、表、価格、ボタン、写真などです。
一方で、作る側は、画面に表示される情報だけでなく、その裏側にある情報も確認しています。
たとえば、既存ページとの重複、スマートフォンでの見え方、ページ同士のつながり、患者さんが迷わない導線、公開後に誤解が生まれない表現などです。
つまり、依頼する側には「表に見える情報の修正」に見えていても、作る側は「表に見える情報」と「裏側で整える情報」の両方を見ながら作業しています。
この見えている範囲の違いが、「すぐできそう」と「実際には確認が多い」の差につながるのだと思います。
実際には、こんな工程があります
たとえば、新しいページを追加する場合、実際には次のような工程があります。
- 要件整理
- 構成案作成
- 原稿整理
- 優先順位確認
- 既存ページとの整合性確認
- 導線整理
- スマートフォン表示調整
- 確認用URL作成
- 修正対応
- 新規ページ作成
- 公開調整
- 最終確認
特に医療サイトの場合は、患者さんが誤解しない表現になっているか、古い情報と矛盾していないか、案内の順番は分かりやすいか、といった点も大切になります。
早めの対応が必要なこともある
患者さんへ早く知らせた方がよい内容もあります。
新しい健診が始まる、診療時間が変わる、患者さんへ早く知らせたい内容がある。そうした場合、スピードが必要になるのは自然なことです。
ただ、その場合に大切なのは、「全部を急ぐ」ことではなく、「まず何を先に出すか」を整理することだと感じています。
たとえば、まずは現在のページに必要な情報だけを先行掲載し、全体の構成や新しいページ作成は別工程で進める。そうすることで、急ぎの告知と、丁寧なページ制作を分けて考えることができます。
スピードを上げるには、準備が必要
制作のスピードを上げるには、作り手が急ぐだけでは限界があります。
原稿がまとまっていること、優先順位が決まっていること、修正点が整理されていること、公開してよい内容が確定していること。こうした準備があると、作業はかなり進めやすくなります。
これは、早く目的地に着きたいときに、ただ「早く着いて」と言うだけではなく、1本早い電車に乗る準備をすることに似ています。
大切なのは、違いを見える化すること
依頼する側と作る側では、見えている範囲が違うことがあります。
依頼する側は、画面に表示される文章や表、写真などを見ています。
一方で、作る側は、その裏側にある構成、導線、表示確認、公開後の分かりやすさまで見ながら作業しています。
「ページ追加」と一言で言っても、その中には整理、確認、調整、公開準備など、いくつもの工程があります。
その工程を共有することで、納期や優先順位についても、より現実的に話し合えるようになります。
作り手として、これから大切にしたいこと
私自身も、制作を続ける中で、ただ黙って作業を抱えるのではなく、必要な工程をきちんと伝えることの大切さを感じるようになりました。
相手と対立するためではなく、より良いものを、無理のない形で作るためです。
ホームページは、ただページを増やせばよいものではありません。
読む人に伝わり、必要な情報にたどり着けて、安心して利用できることが大切です。
そのためにも、作る側と依頼する側が、お互いの見えている景色を少しずつ共有していくことが、よい制作につながるのだと思います。
